ピュア・メディカル社長ブログ『HIROの自分が変われば世界が変わる』

自分の存在

2016.08.29

この夏は猛暑続きで、あまりにも暑くて外出するのが嫌になるくらいでしたので、週末はオリンピックを見ながら過ごしていました。

また、色々な本を読みましたが、強い印象を残したのは東京大学教授の福島智先生の本でした。

先生は現在56歳ですが、3歳で右目、9歳で左目を失明され、18歳のときに失聴されています。

自分の声を聴くことはできませんが、若いときの音の記憶が残っているので話もでき、色々なところで講演もなさっておられます。

私が購読した書籍は「ぼくの命は言葉とともにある」ですが、「自分の存在をどうやって認識するのか」「自分が生きているのか、そうでないのかをどうやって自分に納得させるのか」といった内容でした。

確かに視力、聴覚を失った者にとっては、見える世界は闇のみ、そしてそこは静寂な世界です。

大きな声を出して叫んでみても、誰が応えてくれたのかさえ自覚できません。

そうなると自分は本当に生きているのだろうか、単に生きていると思って勘違いしているだけではないだろうか、といった考えが生まれてくると書かれた点が強く心に残りました。

確かに、自分がここにいる存在を誰がわかってくれているのか自分でさえ理解できないわけですから、そういった世界の中で自分を正常に保っていくことは非常に辛く絶望感を感じてしまうことであろうと私は想像したのですが、先生はそうではありませんでした。

「命は自分自身では完結できない」と述べておられます

現実から目をそらすことなくしっかりと受け止め、その中でコミュニケーション(言葉)の持つエネルギーと美しさに喜びをもち、日々を丁寧に大切に生きておられるすごい方です。

もし、時間があれば是非読んでいただきたい書籍です。

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