ピュア・メディカル社長ブログ『HIROの自分が変われば世界が変わる』

タイは本当に平等社会なのか?

2015.04.10

今週一週間はタイでした。

バンコクについたのは深夜1時半。

タクシーで空港を出ていつもの道で部屋に向かったのですが、ホテルの近くで100台以上のオートバイが道路を占領し、スピード競争をしていました。

ただし日本の暴走族のような、いかついオートバイではなく、ごく普通のおとなしいオートバイばかりです。(新聞配達屋さんが乗っているような100CCほどのカブです)。

集まっている若者たちも普通の普段着。

彼らにとっては競争できるような場所がないので、こうした夜中にあまり車が通らない場所を使って競技をしているのでしょうが、周りの住宅は大迷惑です。

このため私のタクシーはその車線を走行することができず、しぶしぶ道を引き返し別のルートを選びました。

さて、この道路封鎖行為を見て思いましたね。

スピード競争をやっていた場所は静かな住宅街です。

こんな深夜に暴走行為を行われては、周りの住宅はけたたましい騒音で眠ることができませんが、そこには警官は出動してきていませんでした。

何故でしょうか?

私は直感的に次のように思いましたね。

きっとメンバーの中に金持ちか有力者の息子がいるのだろうと・・・。

私はタイがとても好きですが、ただタイ人に対して残念に思うことは、タイ人の方はあまり欲を持たないように感じます。

欲というか野望と言ってもいいかもしれません。

つまり、タイでは法律で国民には皆平等な権利を与えられているものの、実社会においてはどうも違うようで、ベンチャー企業でも起こして「夢をかなえるぞ!大金持ちになるぞ!」といった熱血感を持った人があまりいないように感じています。

これはなぜなのでしょうか?

例えば、タイでは相続税がありません。

ですから、資産家の家はずーっと金持ちです。

親が金持ちであれば子供たちは能力がなくても金持ちで居続けるわけです。

代々金持ちでいられるわけです。

「そういった金持ちをタイ人はどう見ているのか?」と言うと、どうも彼らは自分たちと違った「特別な存在、別の世界の人」と思っているようです。

だから、自分達の生活と比べるようなことは意味のない事なので、しないわけです。

つまり、金持ちは自分達と違った振る舞いをしても、許される特別な存在として考えているように私は感じています。

そして、金持ちや権力者・高学歴を持った者たちも自分達は一般の者とは違うのだから特別の待遇を受けて当然だと考えているようです。

また、このことは選挙時においても同じことを感じさえます。

「無学の者たちが、我々と同じ一票を持つのはおかしい」といった考えを持っています。

無学の者たちは金で自分らの票を売ってしまうのだから、彼らの票は国を良くしようといった声を反映したものではないという主張です。

「そんなことをする無学の者に選挙権を与える必要は全くないではないか、彼らの1500万票は国政を考えた票ではないのだから」といった考えが知識人や経済人にはあるように感じます。

「もし、彼らが1票の権利を持つなら、自分達に3票の権利を持たせろ」といった気持があるのではないでしょうか?

少なくとも「バンコクと地方の人」、あるいは「華僑とタイ・ラオ系民族の違い』は階級の違いであり、このことはタイ人の共通認識のようです。

こういった事から一見、社会は平等そうなタイですが、実際はインドと同じようにしっかりとした階層社会がそこにはあるように私には思えます。

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