ピュア・メディカル社長ブログ『HIROの自分が変われば世界が変わる』

偏見と予見

2017.11.17

ある週末、今日は気分を変えようと思ってホテルで朝食をとりました。

ビュッフェだったので、食事を取りテーブルに戻ってくると、向かいの席に外国人の夫婦が座っていました。

年齢はご主人が40歳ぐらいで、奥さんは30歳ぐらいでしょうか。

旦那さんは黒髪で眉毛もヒゲも濃く、黒シャツに黒のズボンといった服装で黒一色です。

そして、手首にはブレスレットを3つほど付けおしゃれな姿で、腕も太く筋肉質の体をしています。

「体を鍛えるのが好きな人なのだろうな・・・」といった感じです。でも、どこの国の方はわかりません。

一方、向かいに座っている奥様は小柄で、顔立ちははっきりしているのですが、あまり顔色はよくありません。

お化粧をしているのでしょうが、あまり上手ではないといった感じです。

セーターを羽織って、その下は大きく胸の開いたシャツを着ておられました。

「バストもとても大きく、旦那様も濃い顔をしていたのでこの夫婦は、どこの国の方かな?」などと思っていました。

しかし、彼女のイスの下には食べかすがいくつも落ちています。

「床が汚くなるのに、何故拾わないのかな?」と向かいのテーブルなので目に付きます。

そして、テーブルの下にシワくちゃのスカートが見え、この方の上半身を見るととても素敵な女性的な方に見えるのですけど、ごみは散らかしている上に、脚はとてもとっても細く、皮膚の色も良くなくて上半身とは全く違います。

そこで私は「この女性は見えるところだけしかキレイにしない人なのかもしれないな。実際の生活はだらしない人かも知れない?でも、旦那さんはかっこいい男性だけど、彼女の一体どこが気に入っているかな?もしかしたらだまされたのかな?」などと、つまらぬことを思いながら、私は食事を続けていました。

二人は食事を終え、彼女がテーブルの上で両手を彼にさし伸ばし、彼はそれを大きな手で包み込みこんで、何かささやいています。

彼女もそれに答えて何か言っています。「ああ、互いに愛し合っているのだな」ということはわかるのですが、どうも私にとって不似合いな二人に写りました。(2人を意識的に見ているのでなく私の向かいに2人が座っていますから自然に眼に入ってしまいますので、決して監視しているわけではありません。誤解をしないで下さい)

そして、彼はコーヒーを飲み終え席を立ちました。

私はタバコでも吸いに外に行ったのかな?と思っていたら、車椅子を押して戻ってきました。

そこで、全てがわかりました。

彼女は足が不自由なために脚の筋肉がなくあんなに細かったのです。これでは運動不足となり、あのように顔色も悪く、そしていつも車椅子に座っていますためにスカートもしわくちゃだったのですね。

車椅子を彼女のイスの脇に止め、彼は彼女を抱えて車椅子にのせました。

そして、それを押してレストランから出て行く姿を見ながら、「人というのはすぐに偏見や予見でものを見てしまうものだ。」といつもこのことに気を配っている私ですが、まだまだこういった考えを取り除くことが出来ていないな!」とつくづく感じました。

また、「彼もとても偉いなあ。こういった海外まで彼女を連れてくる。あちこち行くのも言葉が出来なければとても不自由だろうに・・・。それでも彼女を日本に連れてきているのだから、彼女をとても大事にし、愛しているのだろうな・・・。」と、男の強さを感じました。

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