ピュア・メディカル社長ブログ『HIROの自分が変われば世界が変わる』

南北の知的所有権の戦い。

2007.08.17

アジアの街中を回って気がつく事といえば、音楽CDのコピー判の氾濫ではないでしょうか?

先進国と発展途上国の間で知的所有権をめぐって対立が激しくなっています。先進国の商標や著作権が発展途上国で侵害される一方で、発展途上国の伝統的な医薬品の商法や製法が先進諸国で勝手に自社の特許とされてしまうケースも増えてきています。世界知的所有権機関(WIPO)でも妥協点が見出せず困っています。

例えば、医薬品の世界では化学的に作り出すことができないような幻的な力を持った成分が自然の中にあります。多くの会社はその成分を探すことに躍起になると共に、その成分から新たな新薬の開発に糸口を見つけだそうとします。そういった中で、今起きているような知的所有権の問題が起こるのです。

インドでは70年以上前から農薬や歯磨きの原料として使われてきた常緑高木の「ニーム」。ところが、アメリカの化学メーカーなどがその成分の抽出法に関する特許を20年前に取得し、続いて欧州でも取得した後に、この技術をインドの会社に買い取るように要求したのです。

インド側はこれにビックリ。インド政府などの訴えで特許の無効が確定したという経緯もありあます。

また、香辛料や健康食料品などでも知られているウコンも傷口にすり込む治療法をアメリカの研究者が特許として取得したのに対し、インド政府が「これはインド古来の治療法だ」と主張し、アメリカ政府がこの特許を取り消した事例もあります。

一般的に、先進国の特許当局は発展途上国の療法や伝統製法を医薬品などに使う場合、その申請内容が従来の技術と比べて著しく進歩的であれば特許として認めています。

これに対して、インドの研究機関はこれまでのアメリカ企業との闘争の教訓から伝統的な医薬品の療法や製法をDATAベース化して先進国の侵害をチェックできるような体制を整え出しています。

さらに、発展途上国は「動植物などを商業利用した場合、原産国に公正な利益配分をする」ことを定めた生物多様性条約に基づき、伝統技術などを用いて利益を得た場合は、その原産国なる発展途上国に利益を分配するべきだ。」と主張しています。例えば、これらの成分で医薬品などの特許申請をで行う場合は、その植物などの情報開示を世界貿易機関(WTO)などに義務つけるといった内容です。

発展途上国は自然の恵みに対する自己財産の侵害に気を使っていますが、先進国では時計・バッグなどの偽造ブランド製品に始まり、音楽CD・アニメなどの海賊版ソフトが横行しているころに対し苛立ちを感じています。特にアメリカ政府はこうした現状に対して中国政府は監視が甘いとして世界貿易機関(WTO)への提訴も行っています。

過去からの継承や伝統といった財産を守る発展途上国、経済社会とは離れ自然の恵みに感謝しながら生活をおくっている人々の知恵を経済社会に持ち込みこれで富を作り出そうとする先進国企業。一方、多額の費用をかけて作り上げたブランドや流行品なのに、おかまいなしに出てくるコピー商品に憤慨する大企業。

ここに共通する事は「金儲け」。社会貢献という姿は残念ながら見えない。

その伝統医薬品がなぜ故に効果があるのかを原産国が解明しないからこそ、その国に替わって化学的に研究解明しこれを皆に知らせていく。そして、これにかかった費用や時間をカバーするために特許を取得してロイヤリティーを得ていくことは何が悪いのか?

欲しい人がいれば商品を提供するだけ。購入者もコピー商品として認識し買っているにも関わらず、なぜ販売することが悪いのか?購入した人は喜ぶのだから良いではないか。それで金儲けする事がなぜ悪いことなのか? 

といった認識からこの問題は起きているのでしょう。

つまりは自分の周りに合ったものが剥ぎ取られることに対しての戦い、見えない陣地の取り合いなのです。この問題の解決はまず「相手を欺かない行動」を軸に考えていくべきであり、戦いが目指すものは「調和」であることを忘れてはいけないと思います。

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