ピュア・メディカル社長ブログ『HIROの自分が変われば世界が変わる』

タイの裏側事情

2018.05.04

今週はタイにきております。空港から出てタクシーに乗り高速道路より見えるタイの街はネオンがとてもきれいです。夜という事もあって気温は28度、とてもしのぎやすいです。久々のタイですが、やはり来てみるといい国だなとネオンを見ながら思います。そして来るたびにあちらこちらで立ち上がっていく高層マンションからの明かりを見ながら「タイの経済力と、かつての政権闘争によりどんどん街が変わってきているのだな~」と感じています。

思い起こせば2006年、元警察官でタイでの携帯電話サービスで巨大な財産を創り上げ、その後に首相となったタクシン氏がニューヨークへの訪問中、突如クーデターが起きました。これは彼が自分の地位確立のために国費を使って地方の近代化を強力に推し進めると称し、実質は地方の低所得者層への「金のばらまき政策」を行ったこと。また、その膨大な個人資産を海外に移すことで、自国からの課税を免れるといった不法行為が明るみとなり、インテリ層・富裕層・中間所得層からの反発がおきたわけです。(これを機にタクシン氏は海外逃亡生活をし、今なお続けております。)

そして、それから約7年間にわたりタクシン派と反タクシン派の抗争は続きました。その間には街のあちらこちらでビルが燃やされたり破壊されました。そして、金で雇わられているといわれているタクシン派の地方支持者達がバンコクに押しよせてきて、車のクラクションや旗を掲げて気勢を上げながら走り回ったりしていました。

一方、反タクシン派は大規模な抗議集会やデモを行い、街中心の大通りを封鎖し、そこにはたくさんのテントが建てられ、抗議者は現政権が退陣するまでは長期間に渡り居座るといった反政府行動で、街は渋滞、膠着状態におちいりました。

こういった治安の悪い状態のバンコクでしたから観光客は激減し、タイの旅行でもバンコクには立ち寄らずに他のリゾート地に行くといった状態が続き、市民の生活はガタガタとなっていたのでした。

そこで、とうとうこの国政悪化状態を見かねた軍がこれを打開すべく政治に介入し、この政治闘争を終焉させました。そして、軍が政治を一時的に治めることになり、現在まで安定した状態が続いております。ただ、この間においても国民より父のように愛されていたこ前国王プミポン国王が死去なされたことは、その後の政局への心配と共に国民の最大の悲しみもありました・・・

しかし、前述したように軍事政権による統治は一時的だったため、本来であれば早く総選挙を行い民生復帰すべきなのですが、なかなかそれが今なおされず何度も延長されてきているのです。

その理由は、どうも軍事政権が手を引けば、またタクシン派、反タクシン派の戦いが再燃しかねないからという理由らしいです。でも、私が思うにはこの両派の争いの根本は農村と都市の格差が背景にあるのですから、これが解決しない限りはどうにもならないのではないでしょうか?

国を安定させる軍事の介入が、残念ながら長引くことで真の民主主義が実現できてないでいるといった、なんだか難しい政治状況を寂しく思います。

アンケートでは「アジア好きな国は?」と問われると「タイ」が必ず出てくる人気の高い国ですが、このようにタイの国を裏から見ると国の安定性といった点では、実はまだまだといった国なのです。早く真の安定した国になってもらいと心から願っています。

では、皆さん、楽しいGWをお過ごしください。

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