ピュア・メディカル社長ブログ『HIROの自分が変われば世界が変わる』

日中間の溝

2014.08.15

先々週は中国でしたが、出張先の街で台湾から進出したて来た現地の大きな医療機メーカーのディレクターを紹介されました。

彼は家族と共に中国に赴任して4年だそうです。

祖父は日本人ということもあり非常に日本が好きで、昼食をとりながら我々の工場視察に同行してくれた中国の商社の人達に、日本の素晴らしさを一生懸命に話していました。

丸テーブルを囲んで昼食をとっていたので、話題は食事の話になりました。

まず、お寿司。

「日本で食べる寿司は中国で食べる寿司とは全く味が違うのだよ。
中国でもマグロは食べるけれど、その冷凍された鮪の解凍の仕方などに日本人独特のテクニックがあると思うんだ。
だからあれほどまでにおいしいのだろうな。
そして、薬味の「わさび」も素晴らしいよね。中国にも四川料理で有名なように多くの種類の唐辛子がありとても辛いけど、日本のわさびはこれらとは根本的に違うものだね。「辛い!」というよりもツーンと頭にくるんだよね。唐辛子は口の中がホットになるだけだけど、ワサビは鼻を通して頭に刺激が来る特殊な薬味なのだよね。本当にかわった物を日本人はお刺身につけるよね。」

そして薄い味付け。

「日本料理はあまり油を使わない上に、味付けが薄く非常に素材そのものの味を大事にするね。この点は日本人の繊細な感覚が現れていると思ったね。だからいくら食べても飽きないんだね。ただ、日本料理は値段が高いから、食べ過ぎるとびっくりするほどの金額になるから注意しないといけないんだ。」

更に、朝の食事。

「日本人の朝食はとてもシンプル。納豆、卵,ノリ、そして味噌汁といったところ。中国人のように朝から炒め物など食べないよね。とてもシンプルで15分程の短い時間で終わらせるんだ。これも日本人の特徴のようだよ。昼食などはコンビニで買ってきて会社で食べる人も多いしね。」

「とにかく日本はどこもきれいだし僕は好きだな。時間があれば行きたい国はなんと言っても日本だな。」

と、皆に色々と自分の感想を話してくれていました。

周りの者も興味深くこれを聞いていました。

そして,「そんな国に私も行ってみたいですよ」と。

こうした彼らの会話を聞いていると、現在の日中間の関係が冷え込んでいる様子などみじんにも感じませんでしたね。

しかし数日後、一人で街の一般的なレストランに入ってみるとそこでは、日本のF16ファントム戦闘機を使った航空自衛隊の軍事訓練のビデオがTVでずっと流れていました。

おそらく、「今、日本の阿部首相が行おうとしている集団的自衛権の行使容認に向けた検討とは、将来は日本が軍事力を強化して我々にたち向かうことのできるような軍事国家になろうとしていることなのだぞ。」と国民に示唆でもするかのようでした。

これは戦時中、日本が中国で行った行為や南京殺害事件など「日本はひどいことをする悪い国だ」と思い出させる、あるいは忘れさせないようにさせることを中国メディアが積極的に行っていると思いましたね。

こんな事ではなかなか日中の関係は埋まりそうにもありません。

数日前の楽しい食卓での会話と、このレストランのTV放送とのギャップを強く感じました。

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